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2025-05-11 北海道クラブマンカップ第1戦レポート!!
前日の雨が嘘のような十勝晴れのもと、今年もシーズン開幕! 喜び爆発の初勝利あれば、連勝記録更新もありとレースの面白さは今年も健在!! 2025年 北海道クラブマンカップレースシリーズ第1戦 2025年 5月11日(日) 十勝スピードウェイ(クラブマンコース) ~今年もまた新たな参戦者が登場!~ 1993年のグランドオープン以来、今年で開業32年目を迎えた「十勝インターナショナルスピードウェイ」、その間に様々な紆余曲折があり、経営母体の変動はあったが今年も道内唯一のレーシングコースとして健在である。 確かに全日本選手権や国際グレードといったビッグレースは開催されなくなったが、アマチュアクラブマン中心のカテゴリーにおいては欠くべからざる地位にあることに変わりはない。さらに今年は新たなチームや新人ドライバーの参戦もあり、彼らが見せ場満載のレース展開を彩ってくれたのである。 <VITA-01> ~四倉悠聖選手、初出走にしてパーフェクトウインの快挙!!~そのシーズンを占う上で最も重要なのは開幕戦だろう。参戦チームの仕上がり具合、ドライバーの顔ぶれ、勝利に対する意気込みなど、様々な点を確認できるのだから。 そこで気になったのは北海道では最大勢力である恒志堂レーシングの減少で、今回は工藤大祐選手のみだったこと。
とはいえ、これはチーム代表である佐藤元春選手が同日開催の富士スピードウェイでのシリーズを優先したため、メカニックやクルー、レース機材などが富士へ向かったせいであり、他コースでのVITA-01戦や、スーパー耐久との日程重複がなければ戻ってくれるはず。 嬉しかったのは一昨年まで優勝争いの主役であった大島良平選手が所属していたTBRチームが戻ってきてくれたこと。 それもスプリントレースではほぼ新人ドライバーと言っていい2人をデビューさせてくれたのだ。 他にも新規ドライバーが数名エントリーしてくれ、今シーズンのシリーズ展開は大いに期待できそうなラインナップとなっていたのだから。 レースに向けての最終調整で重要なのが前日のスポーツ走行である。ところが今回は冷たい雨が降る寒い土曜となってしまった。 これでは正直なところマシンセッティングは出来ず、ドライバーの体慣らし程度だった。 前週に開催された十勝誕生祭ではVITA-01の模擬レースが開催されたのだが、そこにはこの開幕戦にエントリーした選手の多くも出場しており、実質的にはそれが最も有効な最終調整の場となったようである。 好天のもとスタートとなった公式予選、恒志堂レーシングの工藤選手を先頭に、村上泰規選手と坂本幸照選手のチームメイト同士、さらに新生TBRチームのニューフェィスである四倉悠聖選手と瀬戸惇吾選手らが次々とコースインしてゆく。 マシンの状況やコース状況をチェックし、タイヤの温まりを待って5周目くらいからタイムアタック開始となる。 まずターゲットタイムである1分31秒台に入れてきたのは四倉選手。
チームメイトの瀬戸選手も1分31秒台後半のタイムで、この2台がタイムを縮めてゆく。
四倉選手は以前、平中自動車チームから耐久には出場したことがあるがスプリントは初出走。瀬戸選手にいたってはVITA-01に乗るのは初めてという正真正銘のルーキーなのだが、結局この2台がフロントローを独占することになるのだ。
続いたのは村上選手とストレートではスリップを使い合ってアタックした坂本選手なのだが、納得いかないようで一度ピットインし再度アタックするのだがタイムは更新できず。 「ストレートが伸びない。エンジンの当たりが出ていないのか、これまではレブリミットまで回っていたのにそこまで行かないんですよ」と残念そう。 そして決勝。「決して満足いくクラッチミートじゃなかったんですが・・」という四倉選手だったが一直線に加速してホールショットを奪う。
セカンドグリッドの瀬戸選手だがスタートダッシュが決まらず、コース中央を選んだ坂本選手や村上選手はおろか予選5番手だった澤田圭吾選手にまで先行を許し、なんと5位まで後退してしまう。 先頭を行く四倉選手のペースはまったく落ちず、見る間にリードを拡大しレース中盤には完全な独走体勢に持ち込んでしまう。 後続とは一周1秒近いラップタイム差があったのだからそれも当然のことで、結局10秒以上の差をつけてチェッカーを受けるのだ。 2番手争いが接戦で、一歩抜け出した村上選手を先頭に4~5台がほぼ一列となっての攻防となる。 そして6周目の第1コーナー、ここでちょっとした接触などあったようで、澤田選手が順位を下げてしまい、代わってスタートで出遅れていた瀬戸選手が上昇し、さらに梅田和志選手もその一角に加わるという大きな順位変動となってしまうのだ。 レースはそのまま四倉選手が大量リードを奪ったまま独走でチェッカー。チームクルーの「やったぞ!」という歓声の中、コクピットから立ち上がった四倉選手、人差し指1本を立てた両腕を高く突き上げ、1位の喜びを表すのである。
「耐久はともかく、単独で走るスピリントはほとんど初めてだし、ポールポジションも初めてで、もちろん優勝したのも初めて。最高に嬉しいです!」と四倉選手。 同じTBRチームの瀬戸選手が3位。「スタートのミスがすべてでした。最終ラップに3位へ上がりましたが、チームでのワンツーを狙っていたので残念です」と悔しそう。 2位となった村上選手は「クルマを今シーズンは入れ替えたんですが、自分にはマッチしなくて表彰台なんか無理だろうと思っていましたが、そこに賭けていたスタートがうまくいったので2番手でもいいから走り切ってやろうと気持を引き締め直しました。 今シーズンは期待できると思います!」と納得は行かなかったろうが、次戦についての見通しがついたよう。 今シーズンの動向が見えてきた今回の結果、圧倒的強さを見せた四倉選手と瀬戸選手のTBR勢に、村上選手や坂本選手のY‘S勢がどう反撃するのか、次戦が大いに楽しみとなってきた。
<N0-Vitz> ~加藤由記選手、満を持しての独走優勝!~
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『継続は力なり』という言葉に最もふさわしい選手の一人が加藤由記選手だろう。 十勝スピードウェイが開業以来、当初はAE86で走り、ナンバー付のヴィッツレースにもすぐさま参戦し、それがネッツカップに発展すると当然のように参戦してきた。 まさに十勝スピードウェイを知り尽くしたドライバーなのだが、2022年にわずか数台というクラスでチャンピオンとなって以来なかなか“タイトル”という二文字を手にするチャンスには恵まれなかった。 しかし、とうとう再びその日がやってきたようである。 予選をトップでクリアした加藤選手、「今日はうまくいきました、これを生かさないとね!」と、2番手につけた高見俊光選手にはコンマ8秒、
3番手の優勝経験もあるえふで校長選手には2秒近い差をつける速さを見せてくれたのだから。
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もちろん決勝でもその強さに変わりはなかった。スタートでインから並びかけるえふで校長選手を制してトップ快走。 えふで校長選手が高見選手との2番手争いを展開する間にリードは一気に拡大し、10秒以上の大差をつけてチェッカーを受けるのである。 「まともなレースで優勝するなんてもう何年前のことだか、すっかり忘れてました。でも、ベストラップも出してのポールtoウインですからね、 やっぱり1位というのは別格の嬉しさです!」と加藤選手、この圧倒的強さを見る限り、今シーズンのタイトル争いをリードすることは間違いあるまい。
<TS-86/BRZ> ~KEI NAKAMURA選手、連勝記録をまたもや更新!~
わずか4台の出走となったこのクラス、そうなればKEI NAKAMURA選手の優位は誰の目にも明らかだった。 予選から2番手の小野寺俊選手にコンマ8秒の差をつけポールという、ここまで十勝でこのスラスが始まって以来の状況が全く変わらなかったのだから。 さらに、決勝のスタートで小野寺選手の先行を許すのもいつものパターン。
そして“お約束”のように小野寺選手がシフトミスして、NAKAMURA選手にトップを譲り、そこからチェッカーまでコンマ5秒程度のリードを保ったまま走り続けるのも見慣れた光景だったのである。 NAKAMURA選手がこのクラスに参戦しはじめたのが2022年の9月。 そこでの優勝以来、一度もトップを譲らぬ走りで連勝記録を更新し続けるNAKAMURA選手、それにストップをかける強力なライバルに出現を期待したいところ。 ただ、そうであっても長年培ってきたレースノウハウを持つNAKAMURA選手を越えるのは相当に難しいに違いない。
<N1-1000> ~阿野雅樹選手、接戦バトルを制して開幕ウイン!~
出走7台のすべてが水田貴之氏率いるステップ・エンジニアリング所属であり、チームメイト同士なのだが、そこはレースになれば別物で接戦バトルが展開されたことは言うまでもあるまい。 予選トップだったのは「ミスしないように頑張ります。でも阿野さんがトップ争いに絡んでくるんじゃないかと思うんですよね・・」と言う酒井正和選手。
セカンドは「レース展開なんか考えないで、最初から行けるだけ行きますよ!」と言う安藤義明選手がフロントローを分け合う。
3番手がポールの酒井選手が気にしていた阿野雅樹選手がつけるという見慣れたグリッドとなった。
そして決勝、序盤はグリッド通りのポジションでレースは進むのだが、3周目に入って阿野選手が安藤選手に急接近しそのままパス、先行する酒井選手との接近戦となってゆく。 さらに阿野選手の勢いは止まらず9周目の第1コーナー進入で、酒井選手のスリップから抜け出すとあっさりとトップに出てしまう。
3番手に落ちた安藤選手、そこからラップタイムが上がらず三浦稔呂選手にもパスされた時点でレースの決着は定まったと言っていいだろう。 ゴールすると右腕を高く突き上げ「お~!」と雄叫びを上げた阿野選手、昨年の最終戦ダブルヘッダー両ヒートを制してから続く通算3連勝を果たした瞬間であった。
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