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2023-08-20 北海道クラブマンカップ第3戦レポート!!
不安定な天候の中、有力ドライバーが想定通りの結果を出すも、VITA-01はレース終了後に予想外の結末!! 2023 北海道クラブマンカップレース第3戦 2023年 8月20日(日) 十勝スピードウェイ(クラブマンコース) ~プロドライバー参戦クラスやフォーミュラカー、クラブマンシリーズもあり、パドックは満杯の大盛況!~ 例年になく暑い夏となった今年の北海道、気温30度を超える真夏日記録を更新中である。もちろん十勝方面も暑い日が続き、シリーズ第3戦を迎えたレースウイークも決勝日の午前中だけを除き、暑さ厳しい毎日となった。 このシリーズ第3戦、いつもとはちょっと趣が違っている。一般的にはこのレース、おそらくTOYOTA GAZOO Racing 主導の「GR86/BRZ Cup」がメインレースと思われるだろう。 その他、同じGAZOO Racig の「Yaris Cup」もあり、JAF地方選手権の初級フォーミュラ「Formula Beat」もあるのだから。 その併催されるクラスの参加台数が多いため、ピットガレージは満杯。そのため、レギュラーのクラブマンカップ参加者は、ピットガレージを与えられない選手も多く、彼らはパドックエリアのテントがガレージとなってしまった。とはいえ、年に一度、国内トップドライバーが参戦するレースをはじめ、様々なカテゴリーのレースが見られるわけで、これは歓迎すべきなのだろう。 <Yaris Cup 東日本シリーズ> ~島拓海選手が十勝3連勝でタイトル確定!!~ 今シーズンのYaris Cup東日本シリーズ、全7戦が組まれているのだが、6月の第3戦と第4戦に続き、今回が第5戦と十勝では3レースが開催されるのだ。 この十勝3連戦がシリーズの行方を左右するといっていいだろう。 すでに十勝で2勝を挙げている島拓海選手が今回も勝てばシリーズタイトルが決まるという重要な一戦なのだ。 また地元の道内勢にとってもその速さをアピールするためには重要で、特に札幌を中心としたトヨタ系ディーラーチームは「クルマの楽しさを広くユーザーや社員に知らせたい!」という参戦趣旨からも重要なのだろう。 いずれにしても総数36台となる今回の参加選手のなかで、道内勢は10台を超えるのだから、このレースではまさに一大勢力といっていいだろう。 前日の占有走行時と違って雨となってしまった日曜日、午前中に決勝が2レースあり、そこで走行ライン上くらいは水が掃けるだろうと思われたのだが雨脚は衰えず、予選が始まる時間にはフルウエットのコンディションに戻ってしまった。 このウエットの中、速さを見せたのは6月の十勝ラウンドでも上位入賞を果たしている渡辺圭介選手。ポールを奪うのだが、2番手の島選手とはわずか1000分の3秒という僅差、その差はほとんどないといっていいだろう。 道内勢のトップはポールの渡辺選手からコンマ2秒差の3番手につけた阿部晃久選手で、その他の道内勢は中団以降に沈んでしまった。阿部選手は北海道でヴィッツレースが始まった時から参戦している大ベテランであり、その経験とマシンコントロールのうまさは定評のあるところで、表彰台登壇への期待も高まったのである。 そして決勝。なんとこの頃には雨は上がり、薄日も差し始める有様で、コースは完全ドライに回復してしまったのである。 こうなるとグリッドはセカンドだが島選手の優位は動かなかった。絶妙のクラッチミートで一歩前に出るや、クルマをアウトに振って渡辺選手をけん制し、そのままホールショット。 そこからはリードを広げるばかりの独走ウインを果たし、見事にタイトルまで奪っていったのである。 2番手にはほぼ単独走行で渡辺選手。大激戦となったのは3位争いで、常に6~7台がサイドbyサイド、テールtoノーズの接戦バトル。 そこから抜け出したのは十勝でのレース経験の深い赤堀康裕選手。道内期待の阿部選手はチャンスを見いだせず8番手まで後退してしまう。 ただレース後、先行車の2台にトラックリミット違反の判定が下され、2ポジション上昇で6位となった。来年こそ表彰台登壇の姿を見せてほしいものである。 <VITA-01> ~レース終了後、想定外の大波乱! 上野大哲選手が待望の初勝利!!~ このレースの印象、それは平たい言葉でいえば、「ん?どうした、なんだこれは!」である。それくらい予想外の展開が次々と連続して現れ、それはレース終了後にまで続いたのだから・・。 まず最初の驚きは、フルウエットというコンディションの中行われた予選アタックでポールタイムを叩き出した十勝初参戦の徳升浩平選手。 初参戦とはいえ徳升選手は富士スピードウェイでのVITA-01シリーズで2度ものチャンピオン経験者なのだから、驚くにはあたらないかもしれない。 ただ、道内勢筆頭の佐藤元春選手の不振には驚いた。「ウエットだったからタイヤ空気圧のセットを変更したんですが、それがまったく合わなかった」と6番手タイム。 佐藤選手が6番手という後方グリッドに甘んじるのはほとんどなかったはず。つまり予選グリッドはこれまでとちょっと違った上位メンバーとなったのである。 次の驚きは天候。昼を過ぎたころから雨は上がり、薄日も差すという急展開で、気温も高いから見る間に路面は完全ドライに回復したのである。 こうなると予選グリッド後方に沈んだドライバーにもチャンスが巡ってくるはず。 決勝のスタート、レッドシグナルが消えた瞬間に絶好のダッシュを見せたのは徳升選手、2番手に上がった上野選手のラインをうまく塞いでホールショット。 2番手グリッドだった大島良平選手、スタートは良かったのだが2速、3速への加速をミスしたようで、坂本幸照選手、四倉悠聖選手の先行を許し、大きく順位を落としてしまう。 トップ争いは、徳升選手と上野選手が周回ごとに順位を入れ替えながら、3番手以下を置き去りにしてリードを広げてゆくのだが、6周目のゆるいヘアピン状の第8コーナー進入で、四倉選手や坂本選手と接戦の5番手争いを展開中だった村上選手がスピンしてコースオフ。 グラベルにつかまり脱出できなくなった村上選手の状況からフルコースイエロー。さらにペースカー導入となってしまい、ここでレースは一段落。 ペースカーランは2周ほどで終わり、レース再開となって驚かされたのが連勝中の佐藤選手。目の覚めるような走りで次々と先行車を抜き去り、最終ラップに入るとトップの上野選手までかわしてトップチェッカーを受けるのである。 これで終われば「やっぱり佐藤選手は速い!」でよかったのだろうが、レース後の再車検でなんと佐藤選手、徳升選手、4位でゴールした大島選手までが失格と判定されるのだ。 その他にもペナルティを課される選手があり、上野選手が優勝となる正式結果は、暫定順位とまったく変わっていた。さて、このレース、どう評価すればいいのか、とにかく「?」の連続だったのである。 <TS-86/BRZ> ~またもKEI NAKAMURA選手のパーフェクト!~ モデルチェンジによって「GR86/BRZ CUP」に参加できなくなった旧型車両の出走チャンスを確保するため設定されたクラス、十勝の他、岡山やオートポリスでも開催されているが、どこも参加台数が伸びていない。 シリーズ第3戦の今回も、前戦出場のナカヤケンタロウ選手が欠場で、レギュラー参戦中の三浦稔呂選手は混走のN1-1000クラスに移動。新たに小野寺俊選手が加わってくれたが出走4台とさすがにさみしい。 連勝中のNAKAMURA選手も「レース仕様車は残っていますから、そのオーナーに声掛けしています。この先に期待ですね」と言う。 雨の予選、奇策に打って出たのは小野寺選手。タイタ空気圧を通常の50%以上増しというセッテイングにしたのだ。 「なにか違うことしなくちゃ!そうしないとNAKAMURA選手には到底届きませんからね!」とのチャレンジだったのだが、これは大外れ。NAKAMURA選手はおろか、陰能裕一選手にも届かず3番手となってしまう。 しかし小野寺選手、決勝のスタートではしっかりと見せ場を作ってくれる。 レッドシグナルが消えた瞬間、インにクルマを寄せて後続をけん制するNAKAMURA選手と違い、アウト側を迷わず一直線に加速し、1コーナー進入ではNAKAMURA選手に並びかけたのである。 2台横並びのまま第2コーナーに向かうのだが、そこはイン側のNAKAMURA選手に有利で、小野寺選手は一歩引かざるを得なかった。 ここまでがこのレースのハイライトシーン。そこから先はこれまで同様にNAKAMURA選手が見る間にリードを広げて行き独走状態。 どうやら今シーズンはこの状況が最終戦まで続きそうである。 <N0-Vitz・N1-1000> ~ベテラン古井戸選手の強さにスキは無し!~ ウエットコンディションとなった予選、かなり路面状況は悪かったのだが、トップタイムを叩き出したのは古井戸竜一選手。 旧型Vitzながら、なんとそのタイムは強豪ぞろいの新型Yaris Cup勢のタイムを1秒以上も上回ってみせるのだ。 このコースを知り尽くしているベテランの古井戸選手、他の追従をまったく許さない強さである。 ドライとなった決勝でも古井戸選手の走りに全くスキはなく、スタートから一気にリードを奪い、2番手に20秒以上の差をつけての圧勝、今シーズンの全戦優勝でのタイトル決定は決まったも同然だろう。 2位には、予選2番手だった畑中健太選手がスタートミスで最後尾近くまで落ちるのを、みなぴよ選手がうまくクリアしてそのままゴール。 3位争いは松尾亨選手が追いすがる畑中選手を最終ラップまで前に出さず入賞となった。 N1-1000は有力ベテラン勢が出走し毎回ウイナーが変わる混戦だが、今回は今年初出走の中村高幸選手の独壇場。 ウエットの予選こそ酒井正和選手に僅差まで迫られたが、決勝はスタートから一人旅、14秒以上のリードを奪っての独走ウインとなった。
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