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2023-06-28 北海道クラブマンカップ第2戦レポート!!
ダブルヘッダーの「Yaris Cup」東日本シリーズ、予選落ちもある大盛況! 残念ながら道内ディーラーチーム勢の上位入賞ならず!! 2023 北海道クラブマンカップレース第2戦 2023年 6月18日(日) 十勝スピードウェイ(クラブマンコース) ~『十勝晴れ』のサーキット、パドックは満杯の大盛況!~ 初夏の6月、北海道の野山が最も美しく光り輝くシーズンである。クラブマンカップレースのシリーズ第2戦を迎えた十勝スピードウェイも土曜日のスポーツ走行日から汗ばむような好天に恵まれた。 そしてその土曜日からスポーツ走行、占有走行から多数の車両がコースを走り、普段とはちょっと違った雰囲気である。その大きな要因は、今大会にはTOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup の東日本シリーズ第3戦と第4戦が組み込まれていることだろう。 そのため、ピットガレージはほぼ満杯となるほどの大盛況である。モーターレーシングを精一杯楽しもうというドライバー達。さらにシリーズ上位を狙ってこの1戦に集中して賭けるドライバー達。その有様は様々だろうが、すべてのドライバーから「クルマやレースが何より好きだ!」という気持ちが伝わってきた。 このサーキットからGTやトップフォーミュラ、24時間耐久といった国内最高クラスのカテゴリーは姿を消したが、レース界の底辺を支えるクラブマン、アマチュアレベルのレースこそが十勝には大切なのだから。 <Yaris Cup 東日本シリーズ> ~シリーズタイトルは目前! 島拓海選手が2連勝!!~ 今シーズンの東日本シリーズ、全7戦が組まれているのだが、今回の十勝が第3戦と第4戦のダブルヘッダーであり、次戦の8月もまた十勝。このシリーズ中盤における十勝での3戦がシリーズタイトルの行方を左右する重要なラウンドであり、ここでの成績によってはタイトルが決まるといっていいかもしれない。 そのせいか今回は参加42台とエントリー状況が好調で、その中から1台が取り消したが総数41台であり、十勝のクラブマンコースのフルグリッド36台だから5台が予選落ちするという盛況だったのである。 すでにもてぎ、SUGOと2戦が終了しているのだが、今回トップ10のうち参戦してきたのは4名。最も注目すべきはランキング2位にいる島拓海選手だろう。島選手は昨年の十勝ラウンドでも2位に入るなどこのコースを得意としているようで、大量得点を獲得することは確実だろう。さらに昨年のウイナーである渡辺圭介選手もこの十勝ラウンドには期するものがあるはず。 そして、この有力遠征ドライバーに対する地元北海道勢にも期待がかかる。中でも道内勢ではただ一人優勝経験のある小林伸匡選手こそ最有力候補だったのだが、エントリーリストにその名前はなかった。 島&渡辺の両ドライバーと対等に戦える唯一の道内選手が姿を消したことは何より残念であった。 さて、そうなれば島選手の優位性は揺るぎないほど強固なものになってしまった。出走台数が多いため、予選は2組に分かれて実施されたが、そのA組となった島選手、多くの選手が1分45秒を切れずにいるのを尻目に1分44秒台のタイムを連発し、ライバルを寄せ付けず第3戦、第4戦ともにポールポジションを手にする。 B組では笠原潤一郎選手がトップタイムをマークしたが島選手とはコンマ6秒の差をつけられている。 そのB組では道内勢も健闘し、ネッツ札幌の平林千真選手が3番手 初参戦となったネッツ道都の川村俊平選手も4番手と期待できそうなポジションとなった。 そして第3戦の決勝、見事なダッシュを決めたのは島選手、渡辺選手や笠原選手などの大接戦の2番手争いをよそにレース中盤には5秒近いリードを奪って独走状態に持ち込んでしまうのだ。 残念だったのは道内勢、5位争いを展開中だった平林選手と川村選手が第2コーナー進入で接触。この“同士討ち”で道内勢の上位入賞の可能性は消えてしまったのである。 第4戦も島選手の強さに変わりはなかった。スタート前に、「今シーズンのウイナー2人が参加していませんからね、ここはチャンスだと思っています。必ず高ポイントを持ちかえります!」とコメントしてくれたが、2戦連続の優勝ポイントはもちろん、ポールポジションやベストラップのポイントまですべてを手にする展開となったのである。 <VITA-01> ~盤石の強さを取り戻した佐藤元春選手、またも完全勝利を手中に!!~ 強い日差しが照りつけ、路面温度も上がった予選、タイヤをどうマネージメントするかがポイントだと思われたのだが、真っ先にコースインした佐藤元春選手が常にリーダーボードのトップに立つ。 実は同じ日程で富士ではGTワールドチャレンジ・アジア第3戦が開催されていた。昨年、佐藤選手はそのレースでGT4クラス優勝を果たしていたのだが、今年は地元でのVITAレース出走を選んだ。 「今年のGTチャレンジ、もちろん国際競技ですから魅力的なんですが、そのためにエントリーがかなり多くなって、そのためシリーズ全戦エントリーチームを優先するようでスポット参戦はかなり厳しいようなんです。 そのため今年は断念しました」と残念そうに語ってくれた佐藤選手。そのせいもあり、ここでのポールポジションは譲れなかったのだろう。 予選2番手となったのは大島良平選手。 先だって開催された富士24時間レースでは「栄建設FIT」でST-5クラス7位と好成績を上げているのだが、そのチームメイトだったのが佐藤選手。 今回はその両者、ライバルとなったのだが、「クルマの感覚がベストじゃないんですよ、スライド量も多いし、よく2番手に入れたもんだと思います」と表情も優れない。 3番手、4番手には昨シーズン後半から好調の村上泰規選手と坂本幸照選手。 とはいえ上位7台がわずかコンマ5秒の間に入るという、決勝での大接戦が予想される予選となった。 そして決勝。「スタートは悪くなかったんですが、3速に入らない。シフトを戻してまた3速に入れ直したんですが、ミスでしたね」という佐藤選手、なんと4位にまで順位を落としてしまう。 先陣を切ったのはイン側を直線的に加速した大島選手だったが、アウトから坂本選手が2コーナーまでにトップ浮上。さらに予選は7番手に沈んでいたレース巧者の浅井康児選手が3番手に上がってくる。 この大混戦の中、トップ争いを展開していた坂本選手がスピンで脱落。コーナーごとに順位が変動する接近バトルの中、じっくりとレース展開を見ていたのが佐藤選手。 「スタートはミスしましたが、そこは落ち着いて、じっくりと順位挽回すればいいと思いました」とレース中盤、6周目に入るストレートでトップに立ってしまうのだ。 そこからはいつもの佐藤選手のレースパターンに持ち込み、2番手の浅井選手からは3秒のリードを奪う。3位争いが激戦となったが、最終ラップのメインストレートに先行で姿を現したのは今回が初出走の上野大哲選手。「普段はF4やスーパーFJに参戦していて、十勝の路面グリップに戸惑いましたが、徐々に慣れてきて3位に入れました」と大健闘。 終わってみれば佐藤選手率いる恒志堂レーシングが念願だった表彰台独占という快挙を達成したのであった。 <TS-86/BRZ> ~またもKEI NAKAMURA選手の“横綱相撲”!~ モデルチェンジによって全国転戦シリーズのGR86/BRZ CUP に参加できなくなった旧型トヨタ86&スバルBRZのレース仕様車を救済するために新設されたこのクラス。 なかなか参加台数が増えなかったが今回は出走5台とまずまず。旧型となったとはいえ86&BRZは人気車両であり、中古車市場でも高値で取引されており、レース仕様車の入手は難しいのだが、関係者の努力でなんとか参加台数を増やしたいところだ。] 注目の予選、初出走ながら速さを見せつけたのが普段はAE86でDTCCに参戦しているナカヤ ケンタロウ選手。 「このクラス、タイヤがBSのスポーツラジアルに限定されていますから、そのタイヤの使い方が問題でしょう。グリップダウンの幅が大きいのでそれをどうコントロールするかでしょうね」と、トップタイムをマークしたNAKAMURA選手にわずか0.057秒差に迫る2番手となる。 決勝もこの両者が主導権を握ると思われたのだが、例によって最高のスタートダッシュを見せたのは三浦稔呂選手。 第1コーナー進入ではNAKAMURA選手に並びかける勢いでナカヤ選手に先行するのだ。3番手に落ちたナカヤ選手、「三浦さんのスタートのうまさはNAKAMURAさんからも聞いていましたので用心していましたが、やっぱりやられました。でもレースラップは僕の方が速かったのでなんとかパスできました」というものの、その2番手争いのうちにトップを行くNAKAMURA選手は大きなリードを奪っていた。 30年近くにわたり北海道のみならず、様々なカテゴリーで全国のサーキットを転戦してきたNAKAMURA選手のレース経験は大きく、またも独走のままチェッカーとなる。 「今回は中古タイヤで走りました。新品の方が最初のグリップは高いのですが、ダウン幅も大きい。その点、中古は最初からグリップが安定していますからね」とNAKAMURA選手、このクラスでの優位は動きそうもない。 <N1-1000・N0-Vitz> ~歴戦のベテラン、古井戸選手がまたも独走ウイン!~ 今回もまた新旧ヴィッツの他、86&BRZも混走となったが、それぞれラップタイムに差があり、レース展開にさほどの支障はない。 N0-Vitzの予選トップは古井戸竜一選手、タイムも新型のYaris Cupと比べても中団以上に入るほどで速さが際立つ。 一度はレース活動を休止すようと思っていたが程度の良い中古車両が手に入ったためサーキットに戻ってきてくれた古井戸選手、その経験は他の追従を許さない。 面白くなったのはN1-1000クラスで、なんと有力ショップオーナーである水田貴之選手と、鹿内邦宣選手が参戦してきたのである。 そして水田選手がトップタイムを叩き出したのだから、これは楽しみなレースとなるはずだ。 そして決勝、予想通りに主導権を握ったのは古井戸選手。2番手のみなぴよ選手とはラップ1秒もの差があり、そのまま大量リードを奪って開幕戦に続く独走ウイン。 N1-1000も、水田選手が追いすがる酒井正和選手を下しても優勝。やはりベテラン勢の力の差を実感させてくれるレースとなった。
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