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2022-10-27 北海道クラブマンカップ第5戦レポート!!
2022年北海道クラブマンカップレース第5戦 2022年 10月16日(日) 十勝スピードウェイ(クラブマンコース) 《VITA-01》 大島良平選手、最終戦のダブルヘッダーを連勝し、 見事にシリーズタイトルも奪取!! ~タイトルが決まる2連戦に最高のメンバーが勢ぞろい!~ 今シーズンのGTワールドチャレンジ・アジアGT4クラス、鈴鹿での第4戦では2位、富士での第5戦では見事に優勝を果たすなど、国内有数のジェントルマンドライバーとなった恒志堂レーシングの佐藤元春選手だが、その後は参戦せず、2連覇のかかった地元でのVITA-01レースを優先してくれたのである。 「8月の耐久レースで、混走の他クラス車と接触したことでオーバーヒートからリタイヤしたんですが、やはりその影響がクルマにあったようで、エンジンは載せ替えましたし、サスペンションもオリジナルで見直しました。乗り方もクルマのセッティングに合わせて変えますし、面白いレースにしますよ!」と佐藤選手。 その佐藤選手の前に立ちはだかっているのが今シーズン好調の大島良平選手。 2年前までは佐藤選手率いる恒志堂レーシングの一員だったが一念発起して独立し、自分のレーシングチームを立ち上げた。 そこからは試行錯誤の連続だったようだが、その努力が今シーズンに入ってとうとう実り、シリーズタイトルにも王手をかけているのだ。 「先週も練習走行したんですが、天候やコースコンディションも良くて、コースレコードに近い1分30秒台も出たんですよ。まあ、それはなかなか出せないタイムだとは思いますが、今日の予選アタックもトップ取れるようがんばります」と大島選手、好調をキープしているようだ。 また、このところ表彰台の常連となっている坂本幸照選手も注目ドライバーの一人。 「今回もしっかりと上位に食い込んで、タイトル争いを面白くしてみせますよ!」と好調を維持しているし、 「古傷の首が痛くてさ、痛み止めと膏薬を貼ってるんだよ。横Gがかかると辛くてさ」と言う大ベテランの平中繁延選手からも目が離せない。 さらに普段はGR86/BRZカップのプロフェッショナルクラスで活躍している鶴賀義幸選手もスポット参戦してくれたこともあり、上位陣は実力伯仲。まさに誰が勝つか予想もつかない接戦バトルの幕が上がったのである。 <公式予選> ~走りが一変! 浅井康児選手が予選上位に!~ 通常の予選アタックは何ラップも漫然と走ることはない。コースインしてマシンの状況をチェックし、タイヤとブレーキを温め、前後の走行車両との間隔を確かめてアタックに入る。 つまり、ベストコンディションと思われる1ラップだけに集中すればいい。 しかし今回はダブルヘッダーであるため、レース1はベストラップでグリッドが決まり、レース2はセカンドベストのタイムが採用されるレギュレーション。そのため1ラップどころか、2ラップ、3ラップくらいは全力を集中してアタックする必要があったのである。 まずそれに成功したのは大島良平選手。練習走行から好タイムをマークしていたわけで、1分30秒台には入らなかったがただ一人31秒台前半のタイムを叩き出す。 2番手には順当に佐藤元春選手がつけていたのだが、予選終了直前にタイミングボードの上位に飛び込んできたのが浅井康児選手だった。 佐藤選手をコンマ1秒ほど出し抜き、2番手タイム。「トップを取るつもりで最後の最後にアタックしました。クルマのセッティングも決まってきたし、前の二人(大島&佐藤)とはまだ実力差があるでしょうが、もっと行けると思ってます」と浅井選手。 この最終戦、レース展開のキーポイントとなるのは浅井選手ではないだろうか・・と思わせる予選アタックとなった。 <RACE1> ~大島選手、スタートミスをカバーして今季3勝目をゲット!~ スタートのレッドシグナルが消えた途端、最高のクラッチミートとダッシュを見せたのは2番グリッドの浅井選手だった。 すぐさまトップに立つや、クルマをセンターに寄せて後続をけん制し、明らかな差をつけてホールショットを奪うのである。 「スタートは自分でもビックリするほど決まりました。そのスタートのコツがわかったような気がするんですよね」という浅井選手がオプニングラップを制す。 2番手には、「スタートはうまくいって、浅井選手のテールにつけられたんですが・・」と佐藤選手。 ポールだった大島選手は3番手に後退し、その直後には「前にいる恒志堂軍団の一角でも崩せればと思っているんですが・・」という坂本選手も迫っていた。 しかし、予想外の展開となったのはオープニングラップから3周目まで。「スタートはちょっとホイールスピンが多くてミスしましたし、実はミッションが不調で3速、4速に不安があったんですよ。 そのため無理できなかったんですが、それも大丈夫のようだったのでそこから追撃に入りました」という大島選手が2周目には佐藤選手をパスし、3周目が終わるストレートエンドではスリップを抜け出した大島選手が先行する浅井選手のインを奪ってトップ進出。 そこからは3秒以上の安全マージンを手にした大島選手の独走ウインとなるのだ。 2位にはレース終盤になって浅井選手を抜いた佐藤選手が入り、4位には何ラップも坂本選手との接近バトルを繰り広げた鶴賀選手が入賞となった。 <RACE2> ~大島選手、ほぼパーフェクトなタイトル奪取!~ ポールポジションのグリッドに就いた大島選手に再びポールポジション賞のボードが渡される。「え?またもらえるの!これは嬉しい!」と喜びの声を上げる大島選手。 VITA-01レースでは優勝するとタイヤ1セットが授与されるのだが、その他にVITA CLUBからポールポジションに2万円、優勝者には3万円の賞金が渡される。 チームにとって賞金としての現金支給は何より嬉しいもの。レース結果を早くも言ってしまえば、このRACE2でも大島選手は優勝し、この日の2レースでトータル賞金10万円を手にすることになるのだ。 とはいえ、レース展開は大島選手にとって決して楽ではなかったはず。それはわずか1秒差でゴールした後の「あ~よかった!」という叫びからも分かるはず。 まずまたもスタートで浅井選手と佐藤選手の先行を許してしまい3番手からのスタート。なんとか佐藤選手をパスすることには成功したが、その頃には、「最高のスタートだったし、こりゃあこのまま勝てるかも・・と思いましたよ」と好調の浅井選手がかなりのリードを奪ってトップ快走中だったのである。 そう、この日の浅井選手はスタートからレース戦略までトップコンテンダーにふさわしい走りであり、新しいヒーローの登場を印象づけたと言えるだろう。 ただ、それも6周目まで。7周目に入る1コーナー進入で大島選手に並ばれた浅井選手、トップの座を明け渡さざるを得なかったのである。ただ、一時先行を許した佐藤選手を最終ラップには抜き返し自己最上位である2位入賞を果たすことには成功した。 4番手争いはRACE1と同様に坂本選手と鶴賀選手のバトルとなった。 スタートで先行した鶴賀選手をパスした坂本選手が優位に立ったのだが、レース終盤に抜き返され5位。「僕のクルマは仮にも十勝のスクールカーですからね、あまり過激なセッティングは出来ないんですよ。もっとキャンバーを付ければコーナーも楽なんでしょうが、そうはいかない。でもトップグループに加われる走りは出来たと思います」と来シーズンは期待できそうである。 《N1-1000・TS-86/BRZ・N0-Vitz》 ベテランの実力発揮!中村啓選手、三浦康司選手、安藤義明選手が文句なしの勝利! <公式予選> ~各クラス、入り乱れてのタイムアタック!!~ この最終戦もまた排気量もチューニングレベルも違う3クラスの混走となったこのレース、そのなかでクリアラップを取るのは難しかったようだ。TS-86/BRZクラスの中村啓選手も、「コースインしたら前方にVitz勢が多数いて、早めにアタックしようと思っていたんですが、そのVitzをなんとか抜いて、タイヤも温まったので2~3周目にアタックしました。 混走じゃなかったらもう少しタイムも上がったと思いますが、まあポールを取れたからいいですかね」と苦心のアタックだったようだ。 N1-1000では久しぶりに登場の安藤義明選手がクラス2番手を2秒半近く引き離してトップタイムをマーク。 「多数のクルマが走っていたんで、早めにチャンスを見つけようと思ってたんですが、3周目くらいですね、クリアラップが取れたんでアタックしました。決勝もこの調子で行きたいもんですね」と明るい表情。ポイントリーダーのなかむらりょうこ選手、「アタックしたんですが、なかなかタイムが出なくて・・でも出走台数が多いから楽しいです」とニッコリ。 N0-Vitzは九州から遠征の三浦康司選手が、「スタートしてすぐはクルマにアンダーが出て、ちょっと乗りずらくて、それが解消したら前方に遅いクルマが現れたりでストレスの溜まる予選でしたね。そのため最後までアタックチャンスを狙わなきゃいけなかったですよ」とちょっと不満顔だったが、文句なしのクラストップ。 いずれにしても3クラスの混走であり、予選グリッドも総合3位まではTS-86勢が占めたが、4番手にはN1-1000の安藤選手、続くのはN0-Vitzの三浦選手と、クラス入り乱れてのポジションとなり、決勝も難しい展開が予想された。 <RACE1> ~3クラスともポールシッターが余裕の勝利!~ 落ち着いたクラッチミートで絶妙のスタートを切った中村啓選手が、ほとんど差がなくテールにつけた小野寺俊選手を従えてホールショットを奪う。その後方では三浦康司選手が前方の安藤義明選手をかわして総合3番手に上昇し、加藤由記選手も4番手につける。 その三浦選手、前方のTS-86/BRZ勢が先行してしまうのを確認するや、後方の加藤選手を引き離しにかかる。 「ミスなくスタートできたし、あとは想定通りにうまくいきました」と、2周目には予選タイムを上回るラップタイムを叩き出す速さで、クラストップのポジションを確実なものとしてしまう。 今回、N1-1000の安藤義明選手の速さも特筆ものだった。小排気量の初代VitzながらN1チューンの車体重量の軽さを生かし、先行する加藤選手をパスするや、三浦選手との接戦バトルに持ち込むのである。「同じクラスのクルマはついてこないし、三浦さんとのバトルを楽しみました」と後続を30秒近く引き離して圧倒的強さのクラスウイン。 TS-86勢のトップ争い、「スタートから想定通りに進んだんですが、小野寺選手も速くて油断できませんでした」という中村選手が、「うまくスタートしたんですが、やっぱり中村選手を抜けませんでした」と残念がる小野寺選手をコンマ7秒差押さえ込んで今季2勝目を手にした。 <RACE2> ~またも上位はRACE1と同じ顔ぶれ!~ この日の最終レース、夕闇迫る頃のスタートとなったRACE2,予選のセカンドベストが採用されたグリッドは、TS-86が中村啓選手、N0-Vitzが三浦康司選手、N1-1000が安藤義明選手とRACE1と全く同じとなっている。 レッドランプが消えた途端、目の覚めるようなダッシュを見せたのはセカンドグリッドの小野寺俊選手だった。 クルマをセンターに寄せて並びかけようとする中村選手をけん制してトップに立つのだ。「とにかくレースを面白くしないといけないと思って、スタートは頑張りました」と小野寺選手。ただそのリードもオープニングラップだけ。 2周目が終わる頃には、「あの1周目はバトルしましたね、面白かったですよ」と言う中村選手が記念すべきTS-86/BRZクラスの初代チャンピオン獲得に向け、大量リードを奪っての優勝を果たした。 N0-Vitzはスタートで安藤選手をパスした三浦選手が安定したペースで快走。 「レース序盤は加藤選手が迫ってきて、ちょっとバトルを楽しめました。そこからペースを上げましたが、リードが拡大したので安心しましたね」と余裕の勝利。 ただし、シリーズタイトルは毎レース確実に上位入賞を果たし続けた、「タイトルは嬉しいですが、今回もまた三浦選手の速さにはまったく手が出なかったのが残念です」と言う加藤選手の頭上に輝いたのである。 N1-1000クラスはまたも「別クラスでは?」と思わせるほどの速さを見せつける安藤選手の独走劇となる。ただしそれはRACE1のように、後続に30秒近い差をつける圧倒的なものではなかった。「シフトミスしたこともあるんですが、N0-Vitz勢に前に出てもらって、そのタイトル争いの邪魔をしないようにしたんですよ」と余裕の勝利。注目のタイトル争いだが、「ここは勝って決めたかったんですが、安藤さんは速かった。 でも毎レース、毎レースの積み重ねが大事なんだと痛感しました」と言う、3位入賞となったなかむらりょうこ選手が十勝スピードウェイでの、長いレース史上初の女性チャンピオンを獲得した。
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