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2024-09-15 北海道クラブマンカップ第4戦レポート!!
またもや波乱は起こらず! ポディウム登壇メンバーは予測通りの実力者! ~今回はホンダN-ONEオーナーズカップも同時開催!~ 2024 北海道クラブマンカップレース第4戦 2024年 9月15日(日) 十勝スピードウェイ(クラブマンコース) ~ドライバーとオフィシャルの信頼関係こそ重要!~ 今回のレース、その競技役員の頂点である競技長は和田孝夫氏である。 和田氏といえばマイナーツーリングと呼ばれたTS1300クラスで、赤黒のADVANカラーに塗られたゼッケン25番のKB110サニークーペで頭角を現し、 その後もフォーミュラ・パシフィックでチャンピオンとなり、耐久レースでは日産グループCカーで大活躍した日本を代表する名ドライバーである。 この元ドライバーという観点から、ドライバーならどう考えるか、サーキット上でどのような行動をとるか、それらドライバー心理をすべて理解してくれるはずの人物が競技長であることを、参加ドライバーは歓迎するはずだ。 もちろん競技規則に則った厳格な裁定は必要だろうが、そこにドライバーの立場も考慮してくれるはずだと思うからである。 サーキット上で戦った経験がまったくない役員と、ドライバーとして国内最高峰クラスのレースを戦って実績を残してきた役員では、参加ドライバーがどちらに信頼を寄せるかは明らかであろう。 同様に8月に開催された「GR86/BRZ Cup」のレースディレクターは影山正彦氏である。 影山氏もレイトンハウスカラーのF3で大活躍し、全日本GT選手権ではカルソニックカラーのR32型スカイラインGTRでチャンピオンになった名ドライバー。 その影山氏がディレクターであれば、レース運営がスムーズになろうことは言うまでもあるまい。 モーターレーシングはそれなりの危険を伴うスポーツである。だからこそ参加ドライバーと競技役員の信頼関係が重要なのだ。 そしてそれはコースポストのフラッグマーシャルにも言えること。 レースがスタートしてしまったら、ドライバーはコース状況や情報をポストマーシャルのフラッグに頼るしかない。その重要な役割を担っているのは大多数がボランティアである。 スタッフの世代交代が進まず高齢化が進む中、若い活力をレース業界は必要としているのだ。 その役割は充分にやりがいがあるし、レース終了後の達成感は他では得られないはず。 若い諸君へ向けたオフィシャルスタッフ参入への門戸はいつでも大きく開いているし、我々は諸君の決断を心から待っている。ぜひ、その扉をたたいてほしいと思うのである。 <VITA-01 北海道シリーズ第3戦> ~上野大哲選手、走り充実の3連勝達成!~ 今回、クラブマンカップシリーズの第4戦となってはいるが、3時間耐久をはさんでいるためスプリントレースとしては3戦目である。 ただ、前戦よりは増えたものの参加台数は9台とちょっとさみしい。 道外からの遠征選手が減ったのと、道内のレギュラーチームが全国規模のカテゴリーにステップアップしていった影響だろう。 そのため各チームや十勝スピードウェイにもVITA-01の遊休マシンは存在しており、それをレンタルしたり、適正価格で購入出来れば参戦は可能。ぜひ新たなコンテンダーが現れることを期待したいものだ。 さて、今回のレースを席巻したのはまたも上野大哲選手だった。 予選では、「昨日のスポーツ走行時とは路面温度が変わってしまい、エア圧の設定を間違ってしまいましたが、周回を重ねるうちに路面に合ってきたようで、6周目くらいにアタックしたら、30秒台が出せました」 とポールを奪取。「何とかして上野選手に一泡吹かせてやりたいとアタックしましたがコンマ1秒足りませんでした。 上野選手の速さを上回るにはスリップをうまく使う必要があるんですが、それがうまくいきませんでした」と村上泰規選手が2番手。 3番手にはクルマのコントロールが安定せず、何度もトラックリミットを越えていた佐藤元春選手が入り、いつものメンバーがグリッドの上位を占めた。 そして決勝、ここでも上野選手の優位は全く変わらなかった。スタートダッシュをうまく決め、イン側に迫る村上選手の進路を巧みに塞いでホールショットを奪う。 村上選手もレース序盤は、一車身ほどの差を何度も詰めようとトライするのだが順位は変わらず。このアタックでタイヤを使ってしまった村上選手、タイヤをクルーダウンさせなければならなかったのだ。 その間に上野選手のリードは拡大。ラップタイムを落とした村上選手だが、3番手の佐藤選手との差も縮まらず順位はそのままでゴール。激しいバトルなったのはトップ3以下の4位争い。 スタートから一時は大きく順位を落とした平中繁延選手がベテランの味を見せつけて接戦から脱出、「体力的に続かないわ・・」とぼやきながらもポジションを回復し4位でチェッカー受けた。 いずれにしても今回もまた、上野選手が優勝はもちろん、ポールポジション、ベストラップも奪うパーフェクトウイン。3位となった佐藤選手をもってして、「まわりのレベル上がってきましたよね。 僕たちも走りの精度をもっと上げていかないといけません」と言わせるほどの上野選手の強さだった。 <N1-1000・TS-86/BRZ・N0-Vitz> ~TS-86クラスを除き、予想外の結末に!~ 今回もトヨタ系ワンメイクの3クラスが混走となったが、TS-86/BRZクラスは別格として、新旧のヴィッツでは旧型のN1-1000と先代N0-Vitzの間にはラップ1~2秒の差があり、予選グリッドはそれぞれが順番に並ぶことになった。 TS-86/BRZクラス、予選開始早々からコースインした小野寺俊選手がウォームアップを終えた2周目にアタックして1分38秒台目前のタイムをマークしてそのままピットへ戻ってしまう。 そのアタックをピットで見ていたKEI NAKAMURA選手、予選時間が半分ほど経過してからようやくコースイン。 満を持してのアタックはあっさりと小野寺選手のタイムをコンマ6秒も上回りポールを確定してしまう。 このNAKAMURA選手の余裕、さすがに第一人者の風格さえ感じさせるアタックだった。 N1-1000クラスはここまでポイントランンキング上位の酒井正和選手のタイムが伸びず、久しぶりに登場の坂野研選手がトップタイムを叩き出し、N0-Vitzでは2連勝中のみなぴよ選手がトップとなった。 そして決勝、いつも素晴らしいスタートダッシュを見せる小野寺選手と三浦稔呂選手の両選手がクラッチミートをミス、リアタイヤを空転させてしまい出遅れてしまうのだ。 そうなればNAKAMURA選手の独壇場、レース序盤こそ小野寺選手がテールtoノーズの接戦に持ち込むが抜くには至らない。 レースを完全にコントロールしていたのはNAKAMURA選手であり、最終ラップにはベストラップをマークする走りで逃げ切ってしまった。 N1-1000ではレース序盤こそ上位3台が競り合っていたが、そこから徐々に坂野選手が抜け出し、2番手の安藤義明選手に8秒以上の大差をつけて独走状態に持ち込んでしまう。 「以前はVITA―01にも出ていたんですが、3年前から休止してました。久しぶりの参加だったんですが勝ててうれしいです!」と坂野選手。 N0-Vitzも予想外の展開になる。レギュラーのネッツ札幌チームが参戦せず、そうなればみなぴよ選手の優位は動かないと思われたのだが、なんとマシントラブルでスピードダウン。 この間にえふで校長選手がトップに浮上し初優勝を果たした。 <N-ONE OWNER′S CUP 2024 シリーズ第8戦> ~ツカハラレーシングの優位は動かず、道内勢の上位進出果たせず!~ 今回のレースはクラブマンカップシリーズの第4戦なのだが、そのメインイベントは「HONDA N-ONE OWNER′S CUP」だったのだろう。 なにしろ参加台数が43台と多く、ピットパドックの半数以上がN-ONE車両で埋め尽くされていたのだから。 モーターレーシングの底辺拡大とアマチュアでも気軽に参加できるレースとしてトヨタが先鞭をつけたナンバー付車両によるワンメイクレース、ホンダはトヨタの対応からは相当遅れた2014年からスタートとなった。 その対象車両となったのは何と軽自動車のN-ONEだった。それもオートマCVTのFF仕様限定で、タイヤに至っては純正サイズのエコタイヤが指定されていたのである。 このまったくレース向きとはいえない車両でのレースには驚かされたのだが、考えてみると国内に流通する自動車の98%ほどはオートマ車であり、 オートマ免許しか持たない一般ドライバーも多く、オートマ限定という規定はアマチュアにレースの門戸を開く近道と思われたのだろう。 さらにとてもレース向きとは思えないエコタイヤ指定は、昨今のサステナブル時代に呼応したものだったのだろう。 いずれにしてもホンダはトヨタとはまったく違ったワンメイクレースを選んだわけで、諸般の条件から独自の進化を遂げてゆき、現在では全国各地、九州から北海道まで8サーキットを転戦するシリーズとなっているのだ。 今回のレースには北海道勢もホンダカーズ北海道 ホンダカーズ南札幌 ホンダカーズ帯広中央 などのディ-ラーチームをはじめとして6名ほどの参戦があったのだが、残念ながら上位進出は果たせなかった。 それも当然であり、とてもレース向きとは思えない車両をコントロールするドライビングテクニックは他のカテゴリーとは全く違い、さらに車両セッティング、タイヤセッティングも他のワンメイクレースとは全く異なるノウハウが必要なのだ。 唯一期待が持てたのは十勝でのレースを支える立役者であるステップエンジニアリング代表の水田貴之選手。 彼は今回、道外チームから車両をレンタルしてスポット参戦してきたのである。 ただし、この長年レースに関わってきた水田選手をもってしても予選グリッドは10番手が精一杯で、決勝ではブレーキトラブルから5周を走ったところでリタイヤしてしまう。 もう一人期待が持てそうだったのが、一昨年のレースで上位入賞を果たした及川雄斗選手。 ホンダカーズ北海道にメカニックとして勤務する中で、自分で車両を作り今年も参戦してきた。その及川選手でも中団グループから抜け出せずに20位どまり。 やはりこの特殊なレース、上位進出を果たしたのは全国を転戦し、 長年このレースを戦ってきたツカハラレーシングやヌボラーリスポーツのドライバー達。 ノウハウ蓄積のないスポット参戦のチームには、上位進出など望むべくもないのが、このN-ONEを使ったレースなのである。 さらにこのレースシリーズで優勝したり、チャンピオンになっても賞金や、タイヤとか無限ブランドのパーツなどのレース用品は授与されない。与えられるのは純粋に名誉だけであり、今回の賞品は地域産品(今回は道産ホタテ)だった。 その表彰内容は別問題として、北海道勢は年に一度のレースのために資金を投入し、準備を重ねなければならない。 それは相当厳しい条件であり、その年に一回の参戦で結果を残すのは至難の業であることを思い知らされたのである。
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